自閉症特有の症状があったり、さらに知的発達の障害を併せ持ったりして、一般の就労や社会生活に適応するのが困難なまま、学校生活を卒える人たちがいます。現在、この人たちの予後については、いろいろと手は尽くされていますが必ずしも充分とはいえません。特に自閉症特有の症状が顕著な人たちに対する配慮は、きわめて乏しいのが実状です。なんとか社会生活に一歩踏み出した人たちも、ある意味では福祉の谷間におかれ、援助の手が閉ざされているのが現状です。
　こうした社会的背景があることから、当法人「つくしの会」は、
◆自閉症的傾向の人を中心にハンディキャップをもっている人たちが、それぞれの「自立」を目指して、生き生きした 生活体験を積み重ねながら療育的ケアを受けることが出来る。
◆社会に飛び出した仲間たちが、必要なら、さまざまな形で休憩に訪れる。
◆さらに、学齢期の子どもたちや家族が、何かを知りたくて、ぶらりと訪れる。
　そんな場と機会を確保したいという家族の願いに基づいて、石川県自閉症児者親の会の有志が中心となって設立が計画され、平成元年に設立されました。
平成元年６月１日　自閉症成人施設　はぎの郷　開所
平成１０年６月　地域交流施設「トロル」開所
平成１６年９月　自活訓練棟設立
平成１７年１１月　発達障害者支援センターパース事業開始（石川県委託事業）
平成２３年４月　新事業体系に移行
　　　　　　　　障害者支援(自閉症者療育)施設　はぎの郷:入所定員50名⇒40名
同上　　　　　　ジョブスタジオ ノーム設立（就労移行・就労継続Ｂ）定員20名
同上　　　　　　グループホーム「ホームすぎな」（地域移行型）設立
平成２５年４月　グループホーム「ホームすぎな」（外部サービス利用型）新設
平成２６年１０月ジョブスタジオ ノーム（就労継続B）定員20名に変更
平成２７年４月　グループホーム「ホームすぎな」（介護サービス包括型）に変更

１．第１種社会福祉事業　障害者支援(自閉症者療育施設)はぎの郷の設置・経営
２．第２種社会福祉事業　障害福祉サービス事業
　　　　　　　　　　　　ジョブスタジオ ノーム(就労継続Ｂ）
　　　　　　　　　　　　グループホーム「ホームすぎな」
３．公益事業　　　　　　石川県発達障害者支援センター委託事業

○親子・家族の絆を大切にする
○社会・自然との交流を重視する
○一人ひとりの主体性を尊重する、を基本的運営方針の３本柱としています。
　制度変革の折、自閉症施設としての存在意義を見失うことなく、永続的なものを目指して着実に変革していく必要があると考えます。はぎの郷は、処遇困難と称される自閉症者及び自閉的傾向をもつ人達を中心とした保護者の活動が基盤となり設立された施設です。サービスに関しては毎日入浴・食事・外出機会・週末帰省・多種多様な日中活動の提供などで現在の地域福祉への流れの先駆的サービスを実施している一方、重度の自閉症（強度行動障害支援をふくむ）への専門的な処遇の実績も積んできています。今後も我々は石川県内における自閉症・発達障害者支援の拠点施設としての役割も担っていく使命があると考えています。

自閉症・発達障害の支援拠点として、啓発に努め、コンセンサスを得てきている標準化された支援技法を広めるだけでなく、お一人おひとりと「一緒に生きる」なかまとしてきちんとお付き合いできる人材の育成が必要と考えている。
　さらに今後は高齢期を迎える方々の課題についても、取り組む体制を整えていくことがことが急務であると考えている。

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